創業家とファンドが結託して社長を追い出すことはないだろうかという相談が多いらしい。
日本の企業社会で今、パーフェクトストームが起きている。とある投資ファンドの代表は語る。
その象徴がセブン&アイだった。鈴木氏の退任は、子会社セブンイレブンジャパン社長だった井坂氏を更迭
する人事案をめぐる混乱が引き金だった。鈴木氏は「新しいアイデアが出てこない」として井坂氏に
退任を要求。これを創業家が承認しなかったことが決定打となった。パーフェクトストーム第1の
熱源は創業家だ。創業者である伊藤名誉会長の一族の持ち株比率は約10パーセント。伊藤氏は
鈴木氏に経営を任せていたが、鈴木氏は「経営と資本の分離の問題」との表現で、創業家から
信任を失ったことが退任理由とほのめかした。ここに2つ目の熱源が重なっている。それが
ファンドの問題である。アメリカのサード・ポイントは昨年、セブン&アイの株式を取得。業績不振の
イトーヨーカドーの売却などをせまってきたのだ。